【余裕手】というのを知っているかのぉ?
余裕手?なにそれ?
ふむ、やはり知らんか。そろそろ新しいことを教えてやらんとと思っての。
やった!じーじ、その【余裕手】っていうのは?
【余裕手】というのは、自分しか石を置けないマスのことを言うのじゃ。
この【余裕手】があるかないかで中盤以降の勝負に大きな差がでるのじゃ。
たとえばこういう状況じゃの。これはh6が白の余裕手なのじゃ。
自分しか打てないから、後回しにするってことはよくあったけど…それを余裕手っていうんだね。
そうじゃ。あとは使うタイミングと他のところに石を置いたことで余裕手が なくならないことを意識すればいいのじゃ。
それじゃじーじ。そのタイミングってやつを教えてよ!
いやじゃ。
えぇー!なにそれー!!
ふぉっふぉっふぉ、冗談じゃ。じゃがな、今回の本題はそこではないのじゃ。 マクラなんじゃよ。マクラ。
マクラ?
話の前置きということじゃ。今回、わしが説明したいのは「辺」についてなのじゃよ。
辺というのは一番外側のマスのことじゃ。4つの隅以外の部分、これが辺じゃ。
この部分の石の置き方で、実は有利不利があったのは知ってるかの?
そうなの?むやみなX打ちとC打ちだけは避けるようにとしか考えてなかったけど、ここってそんなに大事なの?
もちろんじゃ!オセロで大事ではないマスなどないのじゃ!!
この「辺」の石の置き方によってそれぞれ呼び方があるのじゃ。
ポピュラーなものを教えるぞい。中でも、今回は特に不利な形に注目するのじゃ!
どうして不利なのかがわかれば、そうしないようにすればいいってことだね!
うむ、鋭いの!そういうことじゃ。
まずこれを見るのじゃ。
ブロック |
えーっと、ブロック?
そうじゃ。ブロックじゃ。この状態は有利とも不利ともいえぬが、この2か所が敵石だったときは有利になるのじゃ。 b8とg8の2手が余裕手というわけじゃな。これを両方確保したのが山なのじゃ。
黒石有利 | 山 |
これが「山」じゃ。自分に有利な形なんじゃよ。
「山」が自分に有利なのは、「X打ち」に対して、相手が間に入ってこれないからじゃな。
次はこれじゃ。これを「爆弾」というのじゃ。
爆弾…?なんで爆弾っていうの?
これはどっちが有利というのはなく、互角の状態なんじゃ。
(あ、無視した…)
…わ、わしも知らんのじゃ…。…コホン。爆弾がなぜ互角かというと、「C打ち」からの対応じゃな。
b8に黒石を打つとするじゃろ?そうすると、a8に白石を置かれてしまうのじゃ。
逆に、b8に白石を打つと今度はa8に黒石を置くことができる。
つまり、どちらも置ける状況なのじゃ。じゃから、互角ということなんじゃな。
黒石 b8 | 白石 a8 |
白石 b8 | 黒石 a8 |
なるほどね~。一手の影響が大きいから爆弾っていうのかなぁ。
さて、最後はこれじゃ。今回わしが話したかった形、【ウイング】じゃ。
そう、ウイング。つまり翼じゃの。この形は自分にとって不利な形なのじゃ。
もっと具体的な図をだすぞい。なぜだか理由を考えてみるのじゃ。
ちなみに、自分は黒石、敵は白石として、敵の番からじゃ。
んーーー…ちょっとわかんないよ、じーじ。
ふむ。では説明いくぞぃ。まず、このb8は余裕手なのはわかるじゃろ?
他の手がどうしても使えないときなどに余裕手を使うのじゃが、このウイングがどれほど危険なのかを教えるぞい。
この図を見るのじゃ。
①白石 b7 | ②黒石 a8 |
③白石 b8 | ④黒石 a7 |
③白石 h8 |
うわわ!隅は片方取ったけど、それ以外全部とられちゃった!
そういうことじゃ。ウイングがどれだけ危ないかはわかってもらえたかの?
他の石の場所によっては、こうならないこともあるんじゃが…
それを説明するととんでもなく長くなってしまうからの。ちょっとだけ例外を紹介しておくぞい。
①白石 b7 | ②黒石 b8 |
③a8 黒石余裕手 |
そっか、これなら白は置けなくなるから、さっきみたいなほとんど一列を取られることがなくなるんだね!
しかも、あの辺だと相手の確定石になるから一気に不利になっちゃうもんね。
そういうことじゃ。オセロは最低33個石を取っていれば勝ちになるじゃろ?
いくら隅をとっても、これだけの確定石をとられてしまうとそれだけ勝ちも遠くなってしまうのじゃ。
さて、今回はこれだけで終いとするぞい。少ししゃべりすぎてしまったかの。翼に要注意じゃぞ!!