
ねぇ、じーじ。前に教えてもらった偶数理論で気づいたことがあるんだけど、これって後手(白石)の人が使える戦術だよね?
それだったら、先手(黒石)の人のほうが不利ってことにならない?
ほほぅ、よく気づいたのぅ!ならば、今回は偶数理論を応用した戦術を教えるぞい!
その名も【逆偶数理論】じゃ!
【逆偶数理論】 click to collapse contents
まず、偶数理論じゃが…これは【極意伝授その3】で教えた内容じゃな。
偶数理論は途中でパスがなければ後手の人が使える戦術じゃ!
しかし、だからといって先手の人が不利にはならんぞぃ。ちゃんと戦術があるからの。
偶数理論に対抗できる戦術?
そうじゃ!
それが【逆偶数理論】じゃ!
逆偶数理論とは先手の人が使える戦術なんじゃ。
まずはこの図を見るのじゃ。次に手を打つのは先手の黒石じゃな。
どこに打つのが良いじゃろうか?
うーん…奇数空きが2箇所と偶数空きがあるけど…。
偶数理論だと、最後に埋めたほうが有利になるから、奇数の場所を埋めよう!
b7に置くよ!
①黒石 b7 | ②白石 g7 |
うーん、惜しいのぉ。もう少し考えたらどうじゃ?
b7に置いたからといって、白はa8には打ってこんぞ。
打ってくるのはg7じゃ。これで、偶数空きが3箇所になってしまう。
つまり、偶数理論でどの空きも白が手止まりを打つことになるんじゃよ。
そうなってしまえば、白に石を取られて負けてしまうんじゃ。
手止まり?じーじ、手止まりってなに?
おお、教えておらんかったかの。手止まりというのは、盤面の最後の空きを打つことじゃ。
さっきの図には空きマスがあるじゃろ。それぞれの空きを最後に埋める石を打つことを「手止まりを打つ」というんじゃ。
そうだったんだ。あれ?でもじーじ。そしたら、これはどこにおけば正解なの?
うむ、正解はg7の【X打ち】じゃ。
盤面をよく見るのじゃ!左下の空きマスには白は置けないじゃろ?
じゃから、そこはそのままにしておくのじゃ。
このまま手を進めてみるぞぃ。
①黒石 g7 | ②白石 h8 |
③黒石 h7 |
どうじゃ、こうなってしまえば白はb2にしか石を置けんのじゃ。
④白石 b2しか 置けない |
⑤黒石 a1で 手止まり |
このように左下の3マスだけが残ってしまうと、白は石を置けぬからパスをすることになるじゃろ?
普通に対局をしたとき、最後の60手目は絶対に白石が打つことになるが、白がパスをしていたらどうなるかわかるかの?
【X打ち】!?なんかカッコイイ言い方!
白がパスをしたから、最後の手は黒が打てるようになったんだね!
もしかして、これって黒が一手多く打てるから、偶数理論よりも強い?
そういうことじゃ。よくわかったのぅ。
じゃが、実戦で使うのは難しいぞぃ。なにしろ、偶数理論の応用じゃからの。
相手の偶数理論を逆手にとるのが、この【逆偶数理論】じゃ!
もし自分が後手なら、自分で打てない奇数空きを作らないことじゃよ!
【偶数理論】と【逆偶数理論】を使えるようになるまで練習あるのみじゃ!
【逆偶数理論】を使うためには、白石の打てない奇数空きが必要ってことなんだね!しっかり覚えておくよ!
(さっき言ってた【X打ち】って教えてもらってないんだけどなぁ…)